2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

統廃合

ベースボール・マガジン社が、ムック形式で、〈にっぽんの高校野球〉というシリーズものを出しています。各地域ごとに、高校野球をめぐる話題を拾っているのですが、内容の多くは、各学校別の甲子園の予選の記録なのです。1915年の第1回大会以来の記録が、学…

長寿

きょうは、安岡章太郎さんの誕生日だそうです。満90歳になるのですね。最近は、書いたものも見かけなくなりましたが、お元気なのでしょうか。 女性作家では、99歳まで書いていた野上弥生子さんや松田解子さんもいらっしゃるし、88歳の瀬戸内寂聴さんも現役で…

活用

岩波書店のPR誌『図書』に、中野三敏さんがこのところ、和本について連載しているのですが、今回は、ソウルと台北にあった大量の和本を調査しにいったときの話です。 台北のほうは、気候条件が日本より過酷なので、本の傷みがはげしくて、破棄しなければなら…

決断

針生一郎さん、死去。 最後の『新日本文学会』議長として、組織の幕を引くことをしたかたです。 20年ぐらい前でしょうか、たしか『赤旗評論特集版』に、宮本顕治さんの文章が載りました。それは、雑誌『新日本文学』の復刻版の刊行に関してでした。『新日本…

なじめなさ

ピンチョンの『ヴァインランド』、ともかくも終わりました。 やっぱり、権力への対抗として、大麻だのLSDだのが、ある種肯定的に扱われているところが、読みづらかった理由なのかもしれません。レーガンのアメリカというものへの、作者の嫌悪感は理解できま…

後処理

NHKの『クローズアップ現代』で、シベリア抑留問題をとりあげていました。 1982年から83年にかけて、補償問題を話し合う会議が政府部内でおこなわれ、全体的に補償を否定する方向で議論がされたということです。 そのころ、被爆者援護法の制定も、問題となっ…

支配の時間

小川京子さんの『雪上の影』(光陽出版社、民主文学館)です。 作者の体験にもとづく作品が多い短編集なのですが、そのなかで、表題作をはじめいくつかの作品は、日本の敗戦後、朝鮮北部からの引揚げの時期を題材にしています。 この前もテレビでやっていま…

なさけないけれど

トマス・ピンチョンの『ヴァインランド』(河出の世界文学全集)なのですが、半分ぐらい(タケシとDLとが一緒に暮らしているあたり)で、頓挫しています。ふたりがプレーリーに話をしているという、ある種の回想だからでしょうか。 部分部分ではおもしろいと…

担い手ふたたび

楜沢健(くるみさわ・けん)さんの『だからプロレタリア文学』(勉誠出版)です。 宮本百合子の「貧しき人々の群」から、鶴彬の川柳まで、プロレタリア文学の作品をとりあげ、読みどころを紹介したものです。著者の立場ははっきりしていて、プロレタリア文学…

生活感

ナタリア・ギンズブルグ「モンテ・フェルモの丘の家」(須賀敦子訳、河出書房新社『世界文学全集』所収、2008年、親本は1991年、原本は1984年)です。 書簡体小説で、かつてさまざまな関係を結んでいた人びとが、切り離されながらも、何か結びつきを得ようと…

利用

脇田晴子さんの『天皇と中世文化』(吉川弘文館、2003年)です。 寺社や芸能のさまざまな分野で、公家文化があこがれとされ、天皇の権威をほしがるようすが、実証的に追究されています。その点で、すっきりとわかるという本ではないのですが、天皇という存在…

経験

昨日のNHK総合で、宮沢賢治の番組をやっていました。 東北砕石工場での、営業の体験が、かれの作品を深くしていったというつくりです。 宮沢賢治の作品で、生前に発表されたものは決して多くはありません。「銀河鉄道の夜」も、「風の又三郎」も、没後原稿を…

線引き

日付が変わって、もう昨日になりましたが、爆笑問題がつくばのJAXAを訪れる番組をやっていました。人間が宇宙に出て行くのは、まだまだきっかけにすぎないのですが、そこにはたとえば宇宙食における日本食のような文化はあっても、国境線はありません。そう…

客寄せ

柔道の有名選手の方が、与党から選挙に出るそうです。 一般論で言えば、多様な意見が議会ではあったほうがいいので、そうしたスポーツ選手の経験者が議員さんになるのはあってもいいかと思いますが(そういう多様性を保障するためにも、議員さんはある程度い…

統合

井上勝生さんの『開国と幕末変革』(講談社学術文庫日本の歴史18、2009年、親本は2002年)です。 井上さんは、岩波新書の『幕末・維新』も書いていて、それは以前に紹介したと思いますが、この本では、新書につながる、開港のときの幕府の対応は決して屈服で…

担い手

麻生誠さんの『日本の学歴エリート』(講談社学術文庫、2009年、親本は1991年)です。 日本のエリートがどのように形成されていったのかということを、当事者の回想なども資料として使いながら、明治以降の日本の学校制度のありようとからめて論じています。…

放送

国会で放送法の〈改正〉が論じられるそうです。 白石草さんが、5月3日の『しんぶん赤旗』に書いたコラムによると、今度の改正案では、「公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信」が放送で、それを規制するのが法律の目的だというのです。…

固有名詞

デイヴィッド・ハルバースタム『ザ・コールデスト・ウィンター』(山田耕介・山田侑平訳、文藝春秋、2009年、全2冊、原本は2007年)です。 前に紹介した『毛沢東の朝鮮戦争』が、中国側の政策決定のプロセスを追ったのに対して、ハルバースタムは、アメリカ…

きのうから

井上さんのお芝居、戯曲として読んだものはいくつもあるのですが、劇場中継も含めて、お芝居として観たのは、今回が初めてになります(ひょうたん島は別です。もちろん)。文字だけだった歌に、音楽がつくというのは、よりはっきりすることにもなるでしょう。…

放送中

22時45分から、NHK-BShiで、「組曲虐殺」を放送しています。23時までは、井上さんの追悼インタビューで、石原さとみさんとか、栗山民也さんたちの談話です。23時からお芝居がはじまっています。番組表によれば、26時までだそうです。眠らないで見られるでし…