2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

くどい

池井戸潤さんの『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)です。 半沢直樹ものの最新作ということで、航空会社再建にあたって、銀行に債務を一部放棄させるという再建策が政府筋から出たのに対して、半沢がそれを撤回させるという流れです。 半沢が融資畑を歩い…

椅子取り

田島一さんの『続・時の行路』(新日本出版社)です。 〈三ツ星自動車〉の派遣切りに対してたたかう労働者の姿を描いた作品なのですが、この作品では、提訴した結果、地方裁判所で負けてしまいます。時期を限った労働契約なのだから、雇い止めになるのは当然…

少しずつでも

『風見梢太郎原発小説集』(民主文学館、光陽出版社発売)です。 この間、『民主文学』誌に掲載されていた短編に、同じ登場人物のその後を描く書き下ろしも含めてまとめたものです。 原発事故以降の、さまざまな場面をとらえて、事故が人びとに与えている事…

賞と注目

柴崎友香さんの『わたしがいなかった街で』(新潮社、2012年)です。 柴崎さんは今回、芥川賞をとっていますが、それ以前には、野間文芸新人賞を受賞しています。これと三島賞とをあわせて、純文学分野の新鋭三賞といわれるもので、笙野頼子さんと鹿島田真希…

あらためて

土井大助さんが、先月末に亡くなられました。 『民主文学』の編集責任者として、いろいろとご指導いただいたものでした。 あらためて、何か書こうとすると、難しいものです。 これだけで、ご了承ください。

南の海

宮内泰介、藤林泰のお二方の共著、『かつお節と日本人』(岩波新書、2013年)です。 かつお節自体は古代から日本で食されてきたわけですが、この本では、近代のかつお節づくりに南洋産のものがどのようにかかわってきたのかを中心に述べています。特に、削り…

少しずつ

稲沢潤子さんと三浦協子さんの共著、『大間・新原発を止めろ』(大月書店)です。 青森県大間町につくられようとしている、プルトニウムを燃料としようとする原発に対して、反対を貫く人たちを取材したルポルタージュです。 この町でも、推進派の人たちは、…