2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

共存

小林徹・山本紀一『景徳鎮紀行』(NHKブックスカラー版、1981年)です。 なんでも、文革後はじめて取材を許されたNHKのスタッフが、景徳鎮の磁器生産の現場にはいった記録だということです。当然、取材ができる場所とそうでないところとがあり、古い伝統を守…

バイリンガル

ナボコフ『ロシアに届かなかった手紙』(加藤光也訳、集英社、1981年、翻訳原本は1976年)です。 もともとは、ベルリン在住時代にロシア語で発表した作品を、作者本人と息子さんとで英語に直したものだそうです。翻訳者は英語版から訳しています。 ナボコフ…

狭さ

地方選挙、前半戦が終わりました。住んでいるところが政令市なので、県会と市会の選挙がありました。放送では当選当確くらいしか出ないので、NHKのデータ放送をよく引っ張ったのですが、エリア内の選挙だけで、全国の結果は出てきません。すべての議会選挙を…

隠しても

岩本千綱(1858‐1920)『三国探検実記』(中公文庫、1989年、親本は1897年)です。 ここでいう三国とは、タイ・ラオス・ベトナムのことで、著者は僧に身をやつして、バンコクからビエンチャンをへてハノイまで、基本的に歩いて現地を観察したのです。同行者…

大局観

長澤和俊さんの『敦煌』(レグルス文庫、1974年、親本は1965年)です。 敦煌の莫高窟にあった古文書が、20世紀のはじめにどのようにして発見され、それが中国から流出していったのか、それを通してみえる当時のすがたはどのようなものであったのかを、コンパ…