2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ねがいはどこに

NHKの教育テレビが、今年で50年ということで。もう一度みたい番組を募集していました。その結果が、きょう番組になっていましたが、「たんけん ぼくのまち」という番組が1位をとったということです。 この番組では、まちの、業者とか、中小の企業家や職人の…

次は来年

『坂の上の雲』のドラマ、とりあえず、今年の分は終わったようです。 この前、最新の歴史学の成果はどう取り入れられるかということを書きましたが、朝鮮王妃殺害事件にも、少しは触れているように、まったくそういうことに頬かむりはできないようです。 け…

ポリシー

『朝日新聞』の文芸時評で、浅尾大輔さんの『ブルーシート』が取り上げられたようです(購読していないので、伝聞ということで失礼させてください)。 収録された作品の初出の段階では無視されていたのが、単行本になることで紹介されるというのも、時評本来…

見通し

加藤聖文さんの『「大日本帝国」崩壊』(中公新書)です。 戦争が終わったときの、日本支配下の各地が、いかに帝国敗戦の中でうごいていったのかということが、朝鮮・台湾だけでなく、「満洲国」や南洋群島や樺太・千島の状況も含めて叙述されています。 日…

そこにこだわる

毛利嘉孝さんの『ストリートの思想』(NHKブックス)です。 渋谷などのサウンドデモや、高円寺の素人の乱などに、変革の可能性をみようという趣旨のものです。 当然、彼が注目するのは、そうしたパフォーマンスと近接する、音楽や踊りなどの表現になりますし…

ちょっとした気づき

中川なごみさんの『巣立ち』(民主文学館)です。 作者は看護助手として長く働きながら、作品を書いてきた方です。早くなくなられた妹さんのことを書いた作品や、看護助手としての生活を書いたもの、日常の中の一瞬を切り取ったもの、などの短編が収録されて…

おおらか

北杜夫さんの『月と10セント』(朝日新聞社、1971年)です。 著者が、1968年と69年にアメリカに行き、NASAに行ったり、アポロ11号の打ち上げの瞬間に立ち会ったりという、稀有な体験を描いたものです。ノンフィクションだそうですので、書かれたことは事実だ…

あえて避けたか

テレビの「坂の上の雲」、今回は日清戦争の場面です。 従軍記者正岡子規の視点で、日本軍の略奪行為を描いたり、子規が軍医として勤務している鴎外と戦地で出会って戦争への見かたをかたるというような場面もなくはないのですが、日清戦争が、朝鮮王朝の領土…

流されない

伊部正之さんの『松川裁判から、いま何を学ぶか』(岩波書店)です。 今年は松川事件60年ということで、『民主文学』でも特集をくみましたが、伊部さんは、福島大学で長く松川資料室を運営された方で、この事件の起こりから、裁判のうごき、全員無罪確定をも…

つぼみ

これも、没後1周年を記念して出版された、勝山俊介さんの『湖の別れ』(東銀座出版社)です。 表題作は『民主文学』誌上に連載された長編ですが、それと、最晩年の作品「七代目信濃屋喜右衛門」とをあわせて1冊にしたものです。 勝山さんは、西沢舜一の名で…

節目

やはり、節目として出たものは、それにあわせて読むべきだろうと思うので、『冥誕 加藤周一追悼』(かもがわ出版)です。 昨年12月に亡くなられた加藤周一さんを追悼した諸家の文章が集められています。 こうした文章は、加藤さんとのいろいろなかかわりと、…

いろいろと

〈田口タキ〉さんがなくなられたそうです。報道によって年齢が違うという事態が起きているようですが、満年齢と数え年の問題とか、明治年号を西暦になおすときに勘違いしたとか、いろいろと考えられるので、そのうち結論が落ち着くまで、待っていようかと思…

人の世界

ジョージ・オーウェル『一九八四年』(高橋和久訳、ハヤカワepi文庫)です。 ご存知の作品でしょうから、細かい話はしませんが、近未来という設定があればこそ、つきつめた世界を創ることが、作者にはできたのでしょう。どうしても、実在の世界をモデルにす…

飛躍

「組曲虐殺」を読んでいて、あらためて感じたのですが、多喜二が最初につかまって、豊多摩刑務所に送られたときは、非合法だった共産党に資金援助をしたという名目だったわけです。「組曲虐殺」にも、そのときの取調べの場面がお芝居になっています。 けれど…

戦果

真珠湾攻撃の日ですが、日曜日のNHKで、特殊潜航艇が発見されたという特集番組がありました。 真珠湾の外で、攻撃に参加した5隻の最後の一つが発見されたというのです。それは、岩田豊雄の「海軍」のモデルになった、横山少佐のフネだったというのです。 前…

文字で聞く

井上ひさしさんの戯曲を掲載するのが例になっている『すばる』ですが、1月号で「組曲虐殺」が掲載されました。 上演にはいかれなかったので、いろいろな人の感想などみてきたのですが、これで、お芝居の内容がわかります。もちろん、音楽は誌上では再現でき…

実のところはひょっとして

学研の『学習』『科学』誌が休刊するそうです。 1970年代までは、学校で販売していたので、買いやすかったものです。それが強みでもあったのでしょう。 けれども、それができなくなって、家庭に販売員が訪問して直接届けるという形になりました。それも、だ…

はしか

『坂の上の雲』に関してですが、中塚明さんの『司馬遼太郎の歴史観』(高文研)と、中村政則さんの『『坂の上の雲』と司馬史観』(岩波書店)と続けてしまいました。 どちらも、司馬さんが書かなかったことと、当時は知られていなかったけれど、40年の研究の…

暗部

大庭柯公『露国及び露人研究』(中公文庫、1984年)です。 著者は1872年生まれ。ロシア専門家として、二葉亭四迷をしのぐほどの実力をもっていたようです。日露戦争後、新聞記者としてしばしばロシアに滞在、第一次世界大戦のときにはロシア軍に従軍してワル…

脚色

『坂の上の雲』の話、少し続けます。 ドラマが、真之を中心に描くことは、はたして原作の意図を生かせるのかということも、考えたほうがいいかもしれません。とはいっても、それこそ30年間読み直していない作品の記憶でものをいうのもなんですが、たしか、単…