2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

単純じゃない

最近のいわゆる就活の学生に関して、『親はバブル世代だから子どもの大変さがわからない』的な言い方があるようです。けれども、〈バブル世代〉の代表格の半沢直樹は、1989年に銀行にはいっているので、いま49歳です。49歳が就活中の22歳の子の父親というの…

はぐらかし

小林信彦さんの『世界でいちばん熱い島』(新潮社、1991年)です。 このころの小林さんの作品は、『世間知らず』や『イエスタデイ・ワンス・モア』や、『イーストサイド・ワルツ』など、けっこうリアルタイムで読んでいるのですが、なぜかこの作品だけ、25年…

蓄積と成果

佐藤和彦(1937−2006)『中世民衆史の方法』(校倉書房、1985年)です。 中世史の研究史や動向論、書評などで構成された論集ですが、研究史のまとめが読みごたえがあります。土一揆の研究は戦前からの蓄積のうえに戦後歴史学の成果として広がっていったこと…

一面化しない

木村茂光さんの『ハタケと日本人』(中公新書、1996年)です。 中世までの文献史料にあらわれた、畠作に関するものを分析し、日本の農業が決して水田でのイネ耕作にかぎられるものではなかったことを明らかにしようとしています。 最近こそ、アワやヒエ、キ…

まわりまわって

政権党のある国会議員が、戦争法案反対をいう若者たちに対して、そういうことなら、仮想敵国の大使館やそれに準ずる施設の前でいうべきだと、ツイッターでつぶやいたそうです。 たしか、ある種の教科書では、満州事変や日中戦争の一因として、当時の中国では…