2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

知っておくこと

甲斐よしひろさんの『九州少年』(ポプラ文庫、2010年、親本は2008年です) 甲斐さんがデビューして上京する以前のいろいろな思い出をつづったもので、1960年代の福岡の姿が描かれています。その中に、幼い甲斐少年が、親に連れられて〈博多温泉センター〉と…

手順

『相撲』の2月号に、興味深い投書が載っていました。 その人は、初場所のある平日に、当日売りで桝席をバラで2人分購入して友人と観戦していたそうです。すると、途中から「会いマス」の切符を持った人がやってきて、「相席になりました」とすわってきたので…

好みの発露

『池澤夏樹の世界文学リミックス 完全版』(河出書房新社、2011年)です。 『夕刊フジ』に掲載された、世界文学全集の宣伝もかねて、池澤さんが収録作品をとっかかりに、世界文学のさまざまな作品を紹介していくコラムだったそうです。 文学全集のたぐいが、…

遺志

井上ひさし・司馬遼太郎対談『国家・宗教・日本人』(講談社文庫新版、2008年、親本は1996年)です。 司馬遼太郎最晩年の対話で、行われたのは1995年です。 戦後50年という節目もあって、日本の今までを検証していこうという意識が、おふたかたにはあるよう…

これが〈身を切る〉

昨日の続きです。 2009年の総選挙結果で計算してみました。小選挙区の5減はやや適当ですが、大勢に影響はありません。 (小選挙区) 民主218、自民62、公明0、共産0、みんな2、社民3、国民3、日本1、無所属6 (比例) 民主88⇒54、自民53⇒30、公明20⇒10、共産…

隠すのか

政府与党が、〈身を削る〉とかいって、衆議院の定数削減の案をつくったそうですが、夜9時のNHKのニュースでは、どう減らすかだけで、〈もし2009年の総選挙がその方法で行われたらどういう議席数になったか〉という計算結果を表示しません。それは新聞でも同…

商号

汐文社から出ていた、〈講座 文学・芸術の基礎理論〉4巻(マルクス主義の文学理論・日本の文学・世界の文学1・世界の文学2)までは確認しました。1974年から76年にかけて出版されています。 カバーや巻末の広告ページには、6巻まで発売予定があり、〈日本…

熱気

加藤文三さんの『川合義虎』(新日本新書、1988年)です。 関東大震災のときに、〈不逞××〉が暴れているというデマが流され、戒厳令も発令され、軍隊が出動していったときに、当時の東京府下亀戸で虐殺された労働運動家の生涯を追った研究です。1920年代の労…

新興芸術

今年のセンター試験の小説は井伏鱒二の「たま虫を見る」です。1920年代の、いわゆる〈新興芸術派〉と呼ばれたころの作品です。 横光利一たちの〈新感覚派〉は、けっこう自覚的な集まりであったのですが、〈新興芸術派〉は、どちらかといえば、出版社の側でつ…

入門

汐文社から出ていた『講座 文学・芸術の基礎理論』(全6冊の予定だったそうですが、4冊目までしか確認できていません)です。 1974年あたりに、中央労働学院の講義をベースにして、それぞれの分野の専門の方が、文学のさまざまな側面を語ります。川口浩によ…

初陣

『ショーロホフ短編集』(小野理子訳、光和堂、1981年)です。 角川文庫の『人間の運命』と同じように、初期の短編集『ドン物語』からのセレクションと、スターリン批判のあとに書かれた「人間の運命」とが収録されています。 20代前半で書かれた『ドン物語…

今月今夜の

きのうの夕方、満月にちかい月をみていて、ふと考えたのですが、熱海で間貫一くんが「涙で曇らせてみせる」といったのはこの季節の月ではなかったかと。たしか、「1月17日」という日付だったと記憶しているのですが(『紅葉全集』(岩波書店)は書棚の奥にあ…

書かれている

『コレクション戦争と文学』(集英社)の、「日中戦争」の巻(2011年)です。 戦時中の作品、戦後に書かれたものと、いろいろな形で、日本が中国大陸でおこなったことが記されています。 たとえば、藤枝静男「犬の血」(1956年に発表されたもの)では、〈ス…

ゆがみ

辻井喬さんの『司馬遼太郎覚書』(かもがわ出版、2011年)です。 ここ3年ばかり、ドラマの関係で司馬遼太郎や『坂の上の雲』に関してのさまざまな掘り起こしがおこなわれました。歴史の関係の方面からの問題提起や、文学作品としてどう考えるか、ドラマその…

修復

高階秀爾さんの『新版 日本美術を見る眼』(岩波同時代ライブラリー、1996年)です。 新版に際して増補されたなかに、1996年に書かれた「記憶の遺産」という文章があります。ユネスコの世界遺産をめぐってのエッセイなのですが、それによると、法隆寺が世界…

予測

鎌田浩毅さんの『富士山噴火』(講談社ブルーバックス、2007年)です。 火山災害のほうは、地震や津波よりも、災害の予測がしやすいようで、富士山噴火のハザードマップを紹介しながら、なぜそうした判断ができるのかを説明しています。 もちろん、人間の科…

あらたまる

年末の準備にあわただしい中、テレビを流し放しにしていたのですが、NHK総合で午後、蒸気機関車を走らせる話を放映していました。伊勢崎だかの遊園地に保存されていたものを、JRの高崎支社で走らせるのでしょうか。 ボイラーの修理が必要なので、その技術を…