2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

あえて解かない

村上春樹さんの『騎士団長殺し』(新潮社、2冊)です。 ストーリーを紹介すると嫌がる方もいらっしゃるのでしょうが、最低限のことだけは。 中心的な話題の時は21世紀初頭、ゼロ年代後半です。主人公の画家が、妻との関係がうまくいかなくなったので、家を出…

追加

宇宙戦艦ヤマトの新しい映画ができるとかで、ケーブルテレビでアニメ版の一挙放送がおこなわれています。これは、21世紀になってからリメイクされたものなのですが、そこでは、地球を攻めるガミラス帝国は、それ以前にいくつかの星を支配下においているとい…

名目

どこかで、團伊玖磨の『パイプのけむり』シリーズ(朝日新聞出版)が復刊されるとかいう話題を目にした(ちがっていたらごめんなさい)のですが、ふっと思い出したのが、著者は『パイプのけむり』のどこかで、祖父の團琢磨がテロにたおれたことを痛憤をこめ…

残しておく

佐々木元勝(1904−1985)の『野戦郵便旗』(全2冊、現代史出版会、1973年)です。 この方は、1937年から1939年にかけて、野戦郵便局の設営と管理のために、上海から武漢まで日本軍の侵攻とともに行動された方で、その時の記録を、ガリ版刷りで残しておいた(…

イメージ

小山文雄『明治の異才 福地桜痴』(中公新書、1984年)です。 福地桜痴というと、どうしても鷗外の『雁』に出てくる、粋人の先生とか、小松左京の「紙か髪か」の導入部に登場する芸妓のために懐中時計のふたをつぶしてしまった話だとか、そんな印象が最初に…