2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あやかる

元木泰雄さんの『保元・平治の乱』(角川ソフィア文庫、2012年、親本は2004年)です。 律令制に立脚した摂関政治、院政体制が崩壊して武士による自力救済の世にかわってゆくポイントとなる兵乱を、辞事態の経過にしたがって述べてゆきます。軍記物語のみなら…

弟子

太宰治『津軽通信』(新潮文庫、2004年改版、文庫オリジナル編集)です。 当時、新潮文庫未収録の短編をあつめたのだそうですから、時期的にも戦時下のものから戦後のまでいろいろとあって、それはそれで、時勢の変遷もみることができます。 そのなかに、「…

似た話

ピート・ハミル『イラショナル・レイビングス』(沢田博訳、青木書店、1989年、原本は1971年)です。 著者が1960年代に書いた、ジャーナリスティックな文章を集めたものです。ロバート・ケネディ殺害の現場にもいたので、その時のレポートもはいっています。…

動かす

『岩波講座 日本歴史』の近世の巻をなんとなく読んでいたのですが、近世城下町のなかには、弘前のように、お寺を1か所に集めて〈寺町〉と称するようなことがよくあったようです。けれども、神社をあつめて〈やしろまち〉にした例はあまり聞かないように思え…

分裂

竹内泰宏『第三世界の文学への招待』(御茶の水書房、1991年)です。 著者はながくアジア・アフリカ連帯の仕事をしてきたので、この本でも、そうした経験について述べています。南アフリカの詩人の来日のときの話など、たしかにアフリカについての先入観など…

何のことはない

『ビッグコミックオリジナル』というマンガ雑誌に、「テツぼん」という作品が連載されています。 鉄道好きの政権与党の若い衆議院議員が、それを周囲にさとられないようにしながら、自分の好みを政策提言につなげていくというのが、大枠のストーリーなのです…