2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

暑さ

和歌山だかの拘置所で、熱中症で亡くなった方が出たとか聞きました。そのかたが、どういう容疑でそこにいたのかは存じ上げませんが、だからといって、死んでいいというわけにはいかないのでしょう。 宮本百合子が巣鴨で熱中症のために意識不明に陥ったのも、…

延長

TPP交渉で、著作権の保護期間の死後70年への延長が決まりそうだという報道があったようです。 20歳代で作品を書いた人が80まで生きていて、死後70年保護となると、その作品は発表後130年間も、パブリックドメインにならないでブロックされるということです。…

未解明

渡邊澄子さんの『気骨の作家 松田解子百年の軌跡』(秋田魁新報社、2014年)です。 秋田魁新報に連載したものを1冊にまとめたもので、文庫判ですが561ページにのぼる大著となりました。 秋田県の鉱山に生まれ、そこからプロレタリア作家として生きた松田さん…

とびこし

秋山良照『中国土地改革体験記』(中公新書、1977年)です。 著者は、戦時中中国軍の捕虜となり、延安で捕虜教育に従事し、戦後引き揚げてきたあと、〈五〇年問題〉のなかでふたたび中国に渡り、現地で農村工作に携わりました。そのときの経験を記録したもの…

2冠達成

今度は、岩波文庫の『日本近代短篇小説選』(全6冊)の収録作品です。 これは、明治20年代から1970年までの作品をおさめています。一人一作であることは、新潮文庫と変わりなし。全86作のうち、トップは10作の『新潮』、次いで『国民之友』『中央公論』『改…

数えてみると

新潮文庫が、〈100年の名作〉ということで、全10冊のアンソロジーをだしました。全部で145編、各作家1作ずつの選出です。 鴎外や露伴のような明治というべき作家から、宮部みゆきや恩田陸あたりまで、どうしても、最近の作品のほうが、エンタメ系になるのは…

輪の中

十川信介さんの『「ドラマ」・「他界」』(筑摩書房、1987年)です。 明治20年代の近代文学の成立期をめぐる論文を集めたものです。坪内逍遥の「小説神髄」が与えた影響のなかで、いろいろな作家が、新しい文学を試み、批評家もそれに応じてさまざまな概念を…