経験

昨日のNHK総合で、宮沢賢治の番組をやっていました。
東北砕石工場での、営業の体験が、かれの作品を深くしていったというつくりです。
宮沢賢治の作品で、生前に発表されたものは決して多くはありません。「銀河鉄道の夜」も、「風の又三郎」も、没後原稿をつきあわせながら本文が決定されていった作品です。そういう彼ですから、専業作家として生きたわけではありません。番組でもふれられたように、仕事をもちながら彼は作品を作り出していったのです。
小林多喜二が、銀行の仕事をしながら「蟹工船」を書いたことも、NHKは番組にしていましたが、そうした、働くことと書くこととを決して対立させなかったふたりは、これからの文学のありようにも示唆をあたえるのではないでしょうか。