戦果

真珠湾攻撃の日ですが、日曜日のNHKで、特殊潜航艇が発見されたという特集番組がありました。
真珠湾の外で、攻撃に参加した5隻の最後の一つが発見されたというのです。それは、岩田豊雄の「海軍」のモデルになった、横山少佐のフネだったというのです。
前に、「海軍」について書いたこともありましたが、この潜航艇、魚雷を2本装備しているのですが、魚雷がバラスト代わりでもあるので、魚雷を発射してしまうと、浮いてしまいます。すると、敵に発見されやすくなるというしくみなのです。今回発見された横山艇は、魚雷を発射していたのです。
ところが、それは、当時宣伝された、戦艦を沈没させたものではなく、別の巡洋艦を狙って発射され、命中にはいたらなかったことが、当の巡洋艦の報告によって判明しました。日本側は、潜航艇の戦果を捏造していたのです。そのとき、捕虜になった一人の士官の存在も隠蔽されてしまいました。
いっぽう、米軍側も、航空機攻撃の約1時間前に、駆逐艦が潜航艇を1隻発見し、それを撃沈していたことの報告が存在していたのです。番組では、その駆逐艦の乗組員が登場し、当時のことを回想していました。これは、〈だましうち〉の流れにのせるために、アメリカ側によって隠蔽されたようなのです。
戦争報道のあやふやさ、ということを、いつも忘れるわけにはいかないようですね。