入門

汐文社から出ていた『講座 文学・芸術の基礎理論』(全6冊の予定だったそうですが、4冊目までしか確認できていません)です。
1974年あたりに、中央労働学院の講義をベースにして、それぞれの分野の専門の方が、文学のさまざまな側面を語ります。川口浩によるマルクス・エンゲルスの文学理論や、佐藤静夫による戦後文学の講座など、ぜいたくなラインアップといってよいでしょう。丸山昇の中国文学講義は、文革期にいろいろとゆれのあった当時の中国における文学評価を垣間見させてくれます。
こうした、基本的な文学講座をできる条件がなかなかつくれなくなっているのですが、そこを変えていくことが、文学に対する関心を高めることにもなるのでしょう。