予測

鎌田浩毅さんの『富士山噴火』(講談社ブルーバックス、2007年)です。
火山災害のほうは、地震津波よりも、災害の予測がしやすいようで、富士山噴火のハザードマップを紹介しながら、なぜそうした判断ができるのかを説明しています。
もちろん、人間の科学には限りがあるでしょうから、実際に噴火が起きたときに、〈想定外〉のできごとがおきないという保障はありません。けれども、それは、〈想定〉をオープンにして、ここまでならいえるということの積み重ねの上になければならないのでしょう。〈想定〉の根拠を示していくことが、何よりも科学の力をはっきりさせることになるのです。
9世紀にも、東日本の大地震と富士山の噴火が近接して起きています。9世紀は噴火のほうが先ですから、直接の因果関係はないのでしょうが、日本列島がさまざまな地球の動きに影響をうけることは、これからも考えなければなりません。