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石井龍一さんの『役に立つ植物の話』(岩波ジュニア新書、2000年)です。
ジュニア新書ですので、いろいろな人間にとっての有用な栽培植物をとりあげて、それに関する話題を簡単に記しています。
サトウキビの光合成は他の植物とちがっていることだとか、そうした科学の側面からのわかったことなどもあって、そういう勉強のとっかかりになるものでしょう。
昨今、地球環境への関心が高まっているとは思いますが、人間が狩猟採集レベルから、農耕牧畜の段階にはいる(松井孝典さんのいう『人間圏』)ことが、ヒトを現在までもっていったわけで、その点からも地球全体から、どのように「資源」を生かしていくのかが問われるのだと思います。
バイオ燃料に使われるトウモロコシが、各国の食糧を圧迫しているという話も聞こえる(もっとうわさのレベルでは、バイオ燃料自体がベネズエラつぶしの遠謀深慮だという話まであります)わけですから、人間の知恵は地球全体を視野に入れなければならないのでしょう。
ひとつの種のわがままで、惑星ひとつをつぶすわけにはいきません。