発想

山本紀夫さんの『トウガラシの世界史』(中公新書)です。
トウガラシが、南アメリカから地球を一周して広まっていったようすをたどる、時間と空間の広がったものです。各国でのトウガラシ事情がわかって、その幅広さに驚きます。
さて、ここでするのはそういう話ではなく、日本におけるトウガラシ受容が、園芸植物だったという話の中で、加賀千代女のことが紹介されます。
ある人が、「あかとんぼ はねをもぎれば とうがらし」という句をつくったところ、千代女は「とうがらし はねをはやせば あかとんぼ」と直したのだそうです。〈ものを憐れむ〉という意識から直したということなのですね。
あのねのねの歌は、オリジナルではなかったということでしょうか。