これでもかこれでもか

櫻本富雄さんの『戦争はラジオにのって』(マルジュ社、1985年)です。
1941年12月の日米開戦以来の、報道のありようを検証したもので、ラジオが何を伝えたのか、それに従って当時の〈知識人〉たちがどんな発言をしたのかを紹介しています。
特に、ラジオは、12月8日に朝臨時ニュースを伝えてから、ほとんどすべての番組を、戦争関連のニュースにしています。それどころか、毎日のように、やれ真珠湾を攻撃したとか、グアム島を占領した、香港を攻略した、シンガポールを落としたなど、歌謡をつくっては流していたのだそうです。そうした形で、ひとびとに刷りこみをしていったのでしょう。マスメディアの威力はすごいものです。