わかったような

黒川創さんの『リアリティ・カーブ』(岩波書店、1994年)です。
戦争や平和をめぐるいろいろな断想的なエッセイ集とでもいうのでしょうか、『思想の科学』や『海燕』に発表された文章を集めています。戦後の思想や行動を掘り起こして、そこに意味を持たせようというところはわかるのですが、吉本隆明の「転向論」的なものが混ざってしまうというのが、すっきりしない感覚を呼び起こします。その意味では、やはり若書きなのでしょう。