一足違い

先週の月曜日、探し物をしていたので、渋谷の東急本店のなかの書店に行きました。ここは、ネットで在庫の確認ができる店なので、珍しいものを探すときには重宝しているのです。
そのとき、何の気なしに棚を見ていたら、恒文社から出ている、〈クリスタ・ヴォルフ選集〉が全巻そろっていました。なかなか全巻そろいなどお目にかかれないので、へえと思ったのですが、その日はそれは1冊も買わずに帰りました。
すると、火曜日付の朝日新聞に、大江健三郎さんの文章が載っていて、その中でヴォルフがとりあげられているではないですか。すると、おととい、新宿東口にある老舗の本屋では、大江さんが取り上げた、チェルノブイリの巻だけが売れている状況です。
その日のうちに、三越のなかの書店まで行けばよかったのですが、時間がなかったものでその日はおいておいて、昨日、ふたたび渋谷に行くと、やはりその巻が売れている。
そこで、きょう、ネットで三越のなかの本屋の在庫を確認すると、〈ある〉というので、この際取り置いてもらおうかと、連絡をしてみました。すると、ほどなくメールで、〈売り切れていました〉という連絡がきました。こんなことなら、先週に買っておくという選択をすべきだったのかもしれません。『カッサンドラ』が河出の世界文学全集とだぶっているので、どうしようかと迷っていたのです。
もとDDRの作家ですから、どうしても日本ではマイナーな存在だったので、こういう形であっても、注目されるのはいいことだとは思います。『引き裂かれた空』は集英社文庫にもはいっていたのですが。