意地

小原芳樹さんの訃報が、新聞に載っていました。
小原さんは、鳥取で民主主義文学運動を長くやっておられて、『民主文学』にも、いくつかの作品が掲載されています。そのほとんどが、日本と朝鮮半島との関係についての作品で、最近でも、2008年の11月号に、「昼の月 遥かな桜」という、韓国での米軍基地拡張に反対する人びとの姿を描いた作品を載せました。その運動と日本の植民地支配を現在の眼でどうみるかとを連結しようとして、それが夢幻的な雰囲気を作り出していて、そこに評価が分かれる点があったのかと思います。
北村隆志さんは、『民主文学』での時評のなかで、あまりきちんと評価しなかったと、小原さんは、支部の通信のなかで、それへの不満を述べていましたが、それだけ自作にこだわりをもっていたのでしょう。
29日のNHKの地上波で、「日めくりタイムトラベル」の特別版の、昭和をふりかえる番組で砂川の基地拡張反対闘争が扱われていたので、そうした土地とむすびついた運動の重みということも考えてしまいました。