分け方

何か、今年生誕200年になる、ゴーゴリをめぐって、ウクライナとロシアとが、どちらの作家かということでもめているらしいのです。
ウクライナ出身で、『ディカーニカ近郊夜話』だとか、『ヴィー』だとかのような、ウクライナの地に根ざした作品を書いたということで、ウクライナは自分たちの作家だと主張したいということだそうです。。
ロシアとウクライナとの距離はよくわからない(たしか、「小ロシア」と呼ばれたこともあったとか聞いています)のですが、ゴーゴリがロシア語で書くのも、考えてみれば当然のことですから、そこは「ウクライナ人によるロシア語文学」という概念を使って、うまい落としどころを考えてもらいたいものです。

そういう点では、金史良のような人を、日本語文学はかかえているわけで、支配者の言語で文学活動をしなければならなかった人たち、という存在を、忘れるわけにはいかないのです。ゴーゴリのケースを、ひとごととみるわけにはいかないのでしょう。