幅広さ

『コレクション戦争と文学』(集英社)の第5巻、「イマジネーションの戦争」です。
実際の戦争ではない世界や、それに近いものを描く作品を収めているので、『SFマガジン』に載るような作品もはいります。かえって、『群像』などに発表された作品よりも、架空戦記という面からの具象性はあるのかもしれません。
そうやって並べてみると、芥川龍之介の「桃太郎」と、小松左京の「春の軍隊」とが、いずれも謎の軍隊によって住んでいる場所が踏みにじられ、その理由もわからないままである、という点でけっこう似ているところがあることに気づいたり、筒井康隆にはほかにも「東海道戦争」のような作品もあったな、とか思い出したり、いろいろと考えることも多いようです。