今だからこそ

山本太郎さんの『新型インフルエンザ』(岩波新書、2006年)です。
過去にも、1918年、1957年、1967年とパンデミックがあったのですが、この本では、そのときのことにも触れられています。
とくに、1918年のいわゆる〈スペインかぜ〉のときには、第一波よりも、第二波以降の方が、毒性が増したというのです。
そうした、過去の経験をふまえ、著者は、ウイルスと共存する社会を考えているようです。ウイルスは生物のなかでしか増殖しません。ですから、弱毒性のウイルスが、ヒトの体内で、感染しても発症しないように変異していけば、新しいより危険なウイルスから守る役割を果たしえるというのです。
今回、感染がここまで広がっているなかで、どう対処していくのかを考えるひとつの問題提起があるようにも思えます。ものごとをよく知ることは大切ですね。