取り合わせ

『東欧SF傑作集』(創元SF文庫、1980年)です。
東京創元社は、ほかにも『ロシア・ソビエトSF傑作集』も同じ文庫から出していて、ブルガーコフの「運命の卵」も含まれているのですが、こちらの東欧編は、ポーランドブルガリアチェコルーマニアなどの作品が収録されています。
中心になっているのは、解説も書いている深見弾さんなのですが、ポーランド作品の翻訳は、沼野充義さんです。今は、東京大学の教授として高名なかたですが、このころは、こういう仕事もやっていたのですね。
意外な訳者というのは、けっこういるもので、イギリスのロックバンド、クイーンの「キラー・クイーン」と「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞の訳が、イーグルトンの訳書を出している有満麻美子さんだったり、ポーランドのSF作家、レムの作品の訳者として、ハヤカワ文庫で、飯田規和さんという、キューバの革命文学『ベルチリヨン166』の訳を新日本出版社から出している方の名前をみたときには、けっこうびっくりしたものです。