知らずにはすまない

新潮社の『日本鉄道旅行地図帳』の、〈朝鮮・台湾〉編と、〈満洲樺太〉編が出ました。
もちろん、1945年8月15日以前の情報による地図ですから、資料もそこを基盤にしています。台湾には製糖会社の輸送用の路線が多いとか、朝鮮では北部のほうに会社の専用線があったのかとか、そうした、植民地としての実態も、路線図からみることができます。日本窒素が朝鮮北部にずいぶんと進出していたのかとか、樺太王子製紙の力は強そうだとか、そうしたことも見えてきます。
鉄道というのは、道路とちがって、どこでも敷設できるというわけではありません。ひょっとしたら、今もそれぞれの路線は、各地の人びとの手で運営されて、営業しているところもあるでしょう。たとえ、どんな体制でも、きっと自分たちの手で運営することは、喜びだったにちがいないでしょう。そうしたことも含めて、よく考えて読み解く必要があるように思います。