あのころは冗談ですんだ

渡辺和博さんの訃報をみました。
金魂巻』(出版社は覚えていませんが1984年だったと思います)の人というイメージしかないのですが、1980年代前半に、○金と○ビという形で、当時の社会の中にあった、隠された格差をあらわにしたことが記憶に残っています。とはいっても、それはあくまでも大きな冗談のレベルであったのだと思います。田中康夫の『なんとなく、クリスタル』(河出書房新社、1981年)のなかのブランドの羅列や、ホイチョイプロダクションの『見栄講座』(小学館、1983年)があげたような、ある程度の階層のなかでの格差であったのだといえるのでしょう。
現在の格差のもとでは、ちっともしゃれになりません。そう思うと、やはり能天気だったのでしょうか。