さらばシベリア

大瀧詠一さんに悪いので、題目はこの程度で。
『すばる』3月号から新連載が、森まゆみさんの紀行エッセイ。「晶子、百合子、芙美子」がメインタイトルです。与謝野晶子中条百合子宮本百合子)・林芙美子という3人の文学者が、シベリア鉄道をつかって旅をしているというので、森さんも、なるべく同じ経路をとろうとする紀行です。
実は、与謝野晶子敦賀からウラジオストックにわたり、シベリア鉄道に乗ったのですが、百合子と芙美子は、下関から釜山、安東、奉天長春、ハルピンときて、そこからシベリア鉄道に乗っているのです。戦前には、中国東北を鉄道が通過することが認められていたので(実はこのことがあったので、ソ連満洲国を実質的に認めています)、朝鮮半島を鉄路で縦断するこの方法もけっこう普遍的だったようです。もちろん現在では、3人のルートを全く同じように再現はできませんから、森さんは、新潟からウラジオに飛行機でとんだそうです。
隔月掲載になりそうなので、これからの展開をみていきたいと思います。

『すばる』の紀行文といえば、池内紀さんの東プロシア紀行が本になるのを待っているのですが、どうも音沙汰がないようです。どなたかご存知の方は、どうなっているのか教えていただけませんか。