広がり

寺田透『無名の内面』(河出書房新社、1976年)です。
著者は、花田清輝が『新日本文学』の編集長だったころ、編集委員をつとめていたようです。その期間だけ、臨時に新日本文学会の会員にもなっていたというらしいです。その時期のことを書いたエッセイがこの本に収録されているのですが、花田編集長から、スターリンの言語論についての文章を書けといわれて、翻訳だけだと心もとないといったら、蔵原惟人から、原文が人を介して届けられたということがあったようです。
新日本文学会は、そのころには、こうした広がりがあったのですがそれがだんだんと変化していったということのあのでしょう。