言うのはただだ

本が読めないので、テレビの話から始まります。
箱根駅伝をみていたら、日本航空のコマーシャルがありました。ひとつは機客室乗務員の方、もうひとつは整備士のかたで、思い出を語って、会社のイメージをあげようとするものでした。
ところで、『民主文学』の1月号から、井上文夫さんの、「時をつなぐ航跡」という連載小説が始まっています。井上さんは、航空会社のなかでの、組合差別やそれが安全軽視につながる会社の体質を批判する作品を発表してきました。今回の作品も、客室乗務員の女性を主人公にして、航空会社のありようを考えさせるものになるのでしょう。
その、2月号の部分に、こうした記述がありました。
「政府は規制緩和策の一つとして、航空機の整備は原則として自社で行うことと規定されていた航空法を、定期整備については、海外の整備会社に委託できるように改正した。その改正をよりどころに、会社は、東南アジアの整備会社への委託を始めたのだった。コスト削減のこめだった。けれども、それからというもの、整備を委託した航空機からは、配線ミスや部品の取り付け不良など、自社による定期整備では起こり得なかった数多くの不具合が発生していて、安全性の低下が浮き彫りになっていた」
これは、作品によれば、1994年に法改正が行われたということです。
どういう神経のコマーシャルでしょうね。