似た話

ピート・ハミル『イラショナル・レイビングス』(沢田博訳、青木書店、1989年、原本は1971年)です。
著者が1960年代に書いた、ジャーナリスティックな文章を集めたものです。ロバート・ケネディ殺害の現場にもいたので、その時のレポートもはいっています。
その中で、「白人低所得中産階級」についてのレポートがあります。白人の下層の人たちの記事なのですが、かれらは自分は働いているのに、黒人が「優遇」されたり、「生活保護」を受けている人が〈のんきに暮らしている〉のが気に食わないというのです。そうしたかれらのもつ〈疎外感〉や〈被害妄想〉に対して、政治家は何らかの手をうたなければならないと、著者はいいます。
〈黒人〉を何かに変えれば、今の日本にも似ているように思えますね。