あやかる

元木泰雄さんの『保元・平治の乱』(角川ソフィア文庫、2012年、親本は2004年)です。
律令制に立脚した摂関政治院政体制が崩壊して武士による自力救済の世にかわってゆくポイントとなる兵乱を、辞事態の経過にしたがって述べてゆきます。軍記物語のみならず、愚管抄までも、後世の立場からのつくりごとがあるという著者の認定は、当時の家の格などを勘案しているだけに、なるほどと思わせます。
こういう本が文庫になるのも、たとえ視聴率が悪かろうとも、大河ドラマのおかげでもあるわけで、そういう意味では、何のかのといっても、メディアの力は大きいのでしょうね。