すりこみ

若桑みどり『イメージの歴史』(ちくま学芸文庫、2012年、親本は2000年)です。
西洋の絵画彫刻にみられるイメージを解析して、底に流れる思想を探ろうとしています。
それが、現代日本の公共建築に付随した彫刻にも適用されるところに、おもしろみもあります。特に、新しい都庁に置かれた彫刻や、都内にあるものに対しての分析は、日本の近代化(西洋化)というもののもつ浅さをあぶりだしています。
そうしたことも知っておかないと、逆に安易な国粋化に流される危険もあるのでしょう。西も東も、同じような思考をしているところもあるのですから。