記憶の底

『新婦人しんぶん』10月21日号のRANKOさんのマンガです。
チリの鉱山からの救出の話題をきっかけにして、〈おとうさん〉がさりげなくネルーダの詩集を手にして現れ、〈ベンセレーモス〉の歌をくちずさみながら、地球儀をみています。
そういえば、救出された人の最年長は60歳を超えていたといいますから、1970年の人民連合政権の成立と、73年のクーデターの時代、きっと鉱山労働者として、当時の激動の中に身をおいていたのでしょう。
15年ほど前に、ネルーダが登場する映画『イル・ポスティーノ』という作品がありましたが、映画はイタリアを舞台にしていましたけれど、原作の小説(邦訳は徳間文庫、1996年)では、舞台はチリで、クーデターのさなかにネルーダがなくなり、郵便配達の主人公もクーデター側に連れ去られるという結末なのです。
そうしたことも、思い出してしまいました。