好み

河出の世界文学全集、なかなか刊行に追いつけずに、やっとトゥルニエル・クレジオの巻にたどり着いたのですが、第1期よりも、第2期のほうに、池澤さんの好みが色濃く出ているように思えます。
この2作品は、いずれも島の物語で、漂着するロビンソンの話と、島に生まれた男の話です。池澤さんには、『南鳥島特別航路』(新潮文庫、1994年)という著作もあり、そうした辺境への関心があるようで、この選択にも、かかわりがあるようにみえます。ル・クレジオなど、他にもおもしろい作品もあるでしょうから。