配材

高橋夏男さんの『流星群の詩人たち』(林道舎、1999年)です。
草野心平とともに詩をつくっていた人たちの生涯を追ったもので、坂本遼、原理充雄、木山捷平たちのことが調べられています。1920年代という、激動の時代に詩だけでなく、大阪に郵政労働者だった原理は政治運動にもはいりこんでいきます。大阪に『戦旗』防衛講演会の一行がきたときにも、かれらは下支えの活動をしていたようです。
『日本プロレタリア文学集』の詩の巻にも、坂本の詩は収録されていますし、原理の本名に極めて近く、この本でもかれの作品とは断定できないが、そうかもしれないものとして引用されている岡田頌二郎名義の作品も『文学集』に載っています。そうした、各地での地道な活動が、文学運動をささえていたのですね。なかなかそうしたことは、わからないこともあるようです。