一寸の虫

岩波文庫『江戸端唄集』(倉田喜弘編、2014年)です。
三味線を弾きながらの小唄というべきものを集めたものですが、作成は明治にもかかっていて、〈散切り頭をたたいてみれば〉の唄があったり、鹿鳴館を扱ったようなものもあったりと、こういうものにも、世相はうつるのだろうと思えてしまいます。
この流れは、自由民権時代の演歌師のほうにもつながる一方では、お座敷芸のほうにも流れていく向きもあるわけで、そうした混沌を呼ぶものだと考えていけばいいのではないでしょうか。