つくる・ひろげる

松竹伸幸さんの『レーニン最後の模索』(大月書店)です。
ロシア10月革命のころからの、ソビエト政権のなかで、レーニンが何を考えて経済政策を行ってきたのかを追究したものです。
革命の直後には、レーニンは、社会主義は生産物の分配方法の改善で実現できると考えていたようです。不破哲三さん流にいえば、マルクスの〈誤読〉になるのでしょうが、ある意味、目に見える改革ではあったのかもしれません。分配を〈平等〉にすれば、たしかに貧富の〈差〉はなくなりますから。
〈生産の社会化〉というのも、実際のイメージとしては、けっこう難しいものがあるでしょう。社会全体に、どの部門に重点をおくのかに関して、はっきりした合意ができれば、そのなかに生じる〈差〉も許容されるのでしょう。医療とか保育とか教育とか文化とかいうように。
すぐに答えの出るものではないですが。