空気のゆくえ

海野弘『風俗の神話学』(思潮社、1983年)です。

1980年代初めに書かれた、都市論に近い文章をあつめたもので、ある意味時代の先端を突っ走っているようなところもあるし、その後のポストモダンやら、1920年代ブームやらを予感させるようなものもあって、その後の道行きを知っていると、なにやら懐かしく思えてきます。そういえば、あのころ槇村さとるは「N・Yバード」を、くらもちふさこは「東京のカサノバ」をと、都市にこだわったような作品を出していたと、こじつけめいたものまで連想してしまいました。