話を聞く

大江健三郎さんの『世界の若者たち』(新潮社、1962年)です。
中国やブルガリア訪問記もあるのですが、内容の多くは1961年に『毎日グラフ』に連載された、訪問インタビューの記録です。著者と同世代のような各分野の人びとをたずねていて、大関大鵬(当時)や張本勲さんや黒柳徹子さんも、訪問対象となっています。
まだ血気盛んな大江さんの姿もみられますし、ソ連をおとずれて、新進作家のアクショーノフの評判を聞くところもあり、ある意味、貴重な本かもしれません。ちょうど安保闘争のときに、中国に行ったのが、大江さんのこの時期の元気さを生んだように感じられます。