未解明

渡邊澄子さんの『気骨の作家 松田解子百年の軌跡』(秋田魁新報社、2014年)です。
秋田魁新報に連載したものを1冊にまとめたもので、文庫判ですが561ページにのぼる大著となりました。
秋田県の鉱山に生まれ、そこからプロレタリア作家として生きた松田さんの生涯を、鉱山に育った幼少期から追いかけます。松田さんが語りたがらなかった妹の存在や、戦時中のある意味奔放な生きかたなど、いままであまり知られていなかったことにも、歯に衣着せぬというようすで、渡邊さんは記述していきます。
まだまだわからないことや、渡邊さんの推測めいた記述もありますが、松田解子の文学を考えるときに、参照すべきものではあるでしょう。
こういう本を出した、地方紙の意義も、考えるものがあります。