かすかな光

仁藤夢乃さんの『女子高生の裏社会』(光文社新書)です。
秋葉原を中心にして、高校生を〈売り物〉にした「商売」がはじまっているのですが、その「お散歩」という仕事をしている子どもたちの実態を描いたものです。その取材を通して、どのような形で彼女たちをこの世界に連れこんで、そして抜けにくくしているかもわかっていきます。そこには、何でも商品としてしまう現代社会の様相と、過去を反省しない日本社会のありようが反映されているのです。けれども、こうした調査をして、女子たちを助けようとする人がいて、その結果を出版する会社もあるのですから、世の中、捨てたものじゃないようです。