動くとこたえる

鶴岡征雄さんの『私の出会った作家たち』(本の泉社)です。
鶴岡さんが、リアリズム研究会から民主主義文学同盟の結成、その後の動きに関して、当時事務局員だったときの回想を主としています。文学運動の歴史にかんする回想記としては、ずっと昔に、窪田精さんの『文学運動のなかで』(光和堂、1978年)がありましたが、そのあとの時代の記録として、この鶴岡さんの文章があるということになります。
1942年うまれの鶴岡さんが、22歳から36歳までの時期ということですので、文学運動も全体的に若さがあふれているようで、そうした元気が、本の中から立ちのぼってきます。それだけの行動力があれば、いろいろな人たちも協力してくれるわけで、文学教室の講師陣などみると、今からおもうとぜいたくなメンバーがいたのだなと感じてしまいます。
これからの文学運動についても、ヒントになるようなものだといえるでしょう。