長期戦

原発を拒み続けた和歌山の記録』(寿郎社、2012年)です。
紀伊半島には原子力発電所はありません。それをかちとった、現地の動きを、土地の人が書いた論集です。1960年代からはじまった、原発をつくりたい関西電力や、それに同調する人たちと、原発の危険性を学習し、建設に反対する人びととのせめぎあいが、ずっと続いてきました。
1980年代には竹本賢三さんが、のちに『蘇鉄のある風景』に収録される作品を書いて、小説にしたものもあるのですが、実際には、小説化されたあとも、たたかいは続いていたようです。1988年に、日置川町の町長選挙で、反対派のひとが当選して、決着の方向にやっと向いてきたというような事情のようです。
すぐに結果が出ないからといって、安易にあきらめてはいけないのですね。