100年ののち

池田功さんの『啄木 新しき明日の考察』(新日本出版社、2012年)です。
啄木の外界への関心事をみて、その意識を探ろうとしたもので、「天職」「海」「亡国」「進化論」「中国」への考え方を論じています。韓国併合にあたっての秋風の短歌は知っていましたが、それにあわせて辛亥革命に共感していたという啄木の認識は、当時としてはみごとなものだったといえるのでしょう。
今の東北アジアをめぐるいろいろな状況に対して、日本が責任をわかちあわなければいけないはずなのですが、そんなことを少しもみずに、口先ばかりで国がどうとかいうのも困りものです。

違憲なのは小選挙区であって、比例には合憲判決が出ているにもかかわらず、比例を変えようとする一部党派の案に対して、もっと筆誅が加えられてしかるべきだと思うのですが、こうしたことにも、過去の経験をどう受け継ぐのかという立場がみえてくるのですね。