道理

慧門『儀軌』(李素玲訳、ソウル東国大学校出版部、2011年)です。
韓国併合のときに朝鮮総督府が管理して、1922年に宮内庁に『寄贈』した『儀軌』を、韓国に引き渡すまでの運動の経過を、当事者の僧侶のかたが書かれたものです。
日本の計略によって殺害された明成皇后の葬儀の記録がその中に含まれているということも、この運動を続ける重要な動機だったようです。
このとき、運動を進める人たちは、北の仏教会と協力して、ことをすすめようとします。北は日韓条約にはしばられないので、文化財の請求権を保持していると考えられるからだということも、その一因であるようです。実際に、平壌を訪れたり、金剛山で会談したりと、南北共同してことにあたるという姿勢にぶれはありません。
やはり、ものごとをすすめるには、道理が必要です。