みんなそろって

今月の文芸4誌、みな丸谷才一の追悼文が載っています。池澤夏樹さんが大活躍。
ただ、一緒に歌仙を巻いていた大岡信さんの文章がどこにもありません。岡野弘彦さんが書いているところによれば、病気をされていて、文学活動どころではないような感じです。
丸谷さんは、かつて石川淳から、〈ようやく学問が身についたようですね〉と、1970年代のなかばごろ(『食通知ったかぶり』のころでしょうか)いわれたとか。その当時の石川淳くらいの年齢まで、元気に現役でいられたのは、よかったのかもしれません。
また、『すばる』には、井上ひさし最後の座談会が載っています。小林多喜二が題材のもので、小森陽一成田龍一、ノーマ・フィールドとの4人の参加です。
時代は、徐々にうつってゆくのでしょう。

{追記
ごめんなさい。丸谷さんの学問関係の文章は、『新潮日本文学アルバム』の芥川龍之介の項目からひろったのですが、丸谷さんに、学問が身についたといったのは、『ある先輩』だそうです。石川淳は、〈芥川は無学だ〉とだけは言ったそうです。