あいも変わらず

橋守邦さんの『南氷洋捕鯨史』(中公新書、1987年)です。
世界の近代捕鯨の歴史を中公新書らしく、手堅くまとめています。
船団式捕鯨は、日本でも戦前は鯨油とりばかりで、食肉としてもとるようになったのは、戦後になってからだという指摘は、きちんと知っておかなくてはならないことだと思います。
江戸時代以来の、沿海での捕鯨は、日本の食文化でもあるし、鯨とりの技法も、文化として扱うべきものだと思います。それと、近代以降の遠洋捕鯨のありようは、区別が必要なのかもしれません。シロナガスクジラが減ったことと、太地などの漁師さんへの外国人によるバッシングは、意図的な混同なのだということでしょう。
鯨を食べるときには、そこも心しておくことが必要だと思います。