歳月

工藤一紘さんの『秋田・反骨の肖像』(イズミヤ出版、2007年)です。
出版社は横手市にあります。
秋田の民主主義文学運動を支えてきた人たちに関する論考が主で、それに加えて秋田県出身、出生の松田解子、小林多喜二についての文章も収められています。
1970年代には中川利三郎代議士(文学の関係者でもありました)を国会に送り出したように、秋田の民主勢力を文学運動が支えてきた側面もあって、その重みを感じることができます。それとともに、ここに登場する人たちが、いずれも故人となっていることは、その人たちの業績を、どのように今受け継いでゆくのかも問われることになります。
秋田に限らず、全国にこうした文学運動の蓄積があることでしょう(弘前でも、先人の顕彰はずっと行われていると聞いています)。それを発信することで、その地域にとどまらない広がりを見せていくことで、新しい認識をもっていく必要があるのだと思います。