晩年

村松友視さんの『トニー谷、ざんす』(毎日新聞社、1997年)です。
小林信彦さんの『日本の喜劇人』(新潮文庫)でも、トニー谷に関してはそれなりの量をもって記述されていたのですが、そこからくるイメージは、いっときのブレイク時期をすぎては、もう忘れられた存在だったような印象でした。
けれども、この本では、晩年に永六輔さんと組んで、あちこちの小劇場のようなところでステージを持っていたというのですね。実際の舞台は見たことはないのですが、その話を読むと、それなりに自分の力を発揮して最後まで芸人としてきちんと生きつづけたという感覚が生まれてきます。
もう少し長生きしていれば、ちがった展開も生まれたのかもしれません。もう亡くなって25年になるのですか。