演出

きょうは漱石さんの命日だそうです。
集英社の『コレクション戦争と文学』に、漱石の「趣味の遺伝」が収録されています。この作品は、日露戦争に凱旋する将軍を駅頭で主人公が見かけるところから、戦死した友人へとおもいを馳せてゆくのですが、その場面が、柄本明の演じる将軍を小沢征悦が眺めるという形で、浮かんできてしまいました。
ドラマの「坂の上の雲」も、いよいよ戦争の場面ばかりとなるのでしょうが、前からいっているとおり、漱石をなんとか批評的な立場でいかすことはできないのかとも思います。そういう場面でもなければ、単なる戦争ドラマにしかなりません。
せめてもの〈期待〉は、日本海海戦に出撃するところで李舜臣の話をもちだせるかどうか、ということになるのでしょうか。