自壊

矢野龍渓の『経国美談』(岩波文庫、全2冊、1969年)を少しずつ進めているのですが、後編に、アテナイの話がでてきます。
デマゴギーのグループが現れて、『集会の会期を決めずに通年で行え』『集会に出席する貧民には日当を出せ』のようなスローガンをかかげて、支持を徐々に拡大してゆき、『テーバイと同盟してスパルタに対抗するのは、公金の無駄遣いだ』という立場から、民会をその一派の占有物にしていくのだそうです。
民主主義を破壊するものは、民主主義のルールの中から生まれてくるというのは、現在にも通用するのかもしれません。